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教授挨拶

細胞組織学分野 教授 出澤 真理

我々の教室では成人ヒトの間葉系組織にMultilineage-differentiating Stress Enduring (Muse)細胞という新しいタイプの多能性幹細胞があることを発見しました。下等動物では臓器を再生したり、個体の断片から個体そのものを再生させるなど高い再生能力が見られ、間葉系組織に内在する多能性幹細胞が重要な役割を果たしていることが分かっております。しかし高等動物では、複雑な生体システムを進化させるのと引き換えに再生能力は限られたものになっていくと考えられています。従ってヒトの生体にMuse細胞という多能性幹細胞が存在するということは非常に大きな発見です。もしかすると我々が考えている以上にヒトの体は再生能力を潜在的に持っているのかもしれません。我々はMuse細胞を用いて根本的治療法の無い様々な疾患の再生医療に取り組もうと、国内外の多くの施設と研究を展開しております。さらに、下等動物と高等動物の再生能の違いを生体内幹細胞システムの違いという観点から解明したいと考えております。

研究はやり始めたら面白くてやめられない!

人は好きなことに対しては努力を苦としないものです。研究は本来、義務や強制でやるものではありません。「知りたいからやる、面白いからやる」が原点です。自分の知的好奇心がmotive forceですから、あらゆる仕事の中で研究ほど楽しく面白いものはないはずです。もちろん困難もあります。研究は困難への直面と問題解決の連続です。わからないことをやるのが研究ですから当たり前です。結論がわかっていることをやるのは学生実習です。しかし、困難があるからこそ解決に至った時の喜びは何にも代え難いものであり、手にした結果が意外なものであれば、次から次へと疑問が出て来て、のめり込むのです。研究結果が出た時の興奮は、日常の娯楽なんて比べ物にならないほどスリルと喜びに満ちたものです。あなたもこの世界に参加してみませんか?

細胞組織学分野 教授
出澤 真理
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